特定非営利活動法人 ヒューマンインタフェース学会
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セミナー内容
「オータムセミナー2010 質的分析」
主催 | : | ヒューマンインタフェース学会 |
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テーマ | : | 質的分析 |
概要と狙い | : | HIの研究開発においては、そのデザインや実装とともに、実現されたインタフェースを分析、評価することが重要な課題となっています。インタフェースの評価とは、ヒトと機械、システムとにおける関係性を明らかにすることであり、生理学、心理学、社会学等の種々の学問的基盤に基づく方法論が用いられています。今回のセミナーでは、インタフェースにおける関係性の質的なものを質そのものとして捉える質的分析手法を取り上げます。 インタフェースの分析、評価において、ビデオ記録やインタビューや自由記述などの多量の質的データは取ったのだが、それをどう取り扱えばよいのかわからない、また、質的な事象をありのままに捉えたいが、その方法が判らないといった感想も多く聞かれています。そこで、今回のセミナーでは、前半では、発話記録や文書などの主としてテキスト情報を分析して、概念構造を作り上げる手法であるグラウンデッド・セオリー・アプローチ(GTA)を、後半では、主としてビデオを分析する、エスノメソドロジー的相互行為分析について学んでいきます。 前半のGTAは、質的データに基づいた分析から概念を抽出し、概念同士の関係によって研究領域に密着した理論を生成しようとする研究法です。後半に解説するエスノメソドロジー的相互行為分析とは異なり、収集された個別データの文脈を「切片化」という作業により、一度脱文脈化する点が大きな特徴です。切片化されたデータ同士の比較から、より抽象度の高い概念を抽出した後で、研究対象とする現象の構造とプロセスを再構成します。今回のセミナーでは、GTAの基本的な考え方を解説した後、複数あるGTA分析手法のうち比較的取り組みやすいM-GTA(修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ)の手法に基づいて、実際にデータ分析のプロセスを体験していただきます。特に、初めて分析を行う際に誤りやすい点や分析のコツ、適した分析ツールなど、実際の研究に活用する視点から解説する予定です。 後半のエスノメソドロジー的相互行為分析では、エスノメソドロジー的なものの見方について解説した後、実際に分析ツールを使って、ビデオ分析のさわりを体験していただきます。エスノメソドロジーとは、社会学の一分野であり、日常の実践に関わる人々が、どのように状況を理解しながら物事を実現しているかを他者に理解可能にする、言い換えれば、人々の現実がどのように構成されているかを記述することを目指しています。似た名前のエスノグラフィーとは、接点はありますが別物です。エスノメソドロジー的相互行為分析では、発話内容のほかに視線やジェスチャーなど非言語的な要素も重要な分析対象になってきますので、それに適した分析ツールや記述法もご紹介します。 今回のセミナーでは、実際にデータ分析を行う演習を予定しています、演習に用いるノートPC(表計算ソフトが利用可能なもの)と、ビデオ分析に用いるイヤフォン、ヘッドフォンの持参を推奨いたします(持参されずとも演習は可能です)。演習で用いるデータは、会場において配布いたします。 |
講 師 | : | 安藤昌也(産業技術大学院大学) |
コーディネータ | : | 安藤昌也(産業技術大学院大学) |
日 時 | : | 2010年11月18日(木)13~17時 |
会 場 | : | 味覚糖UHA館(東京) 601室 |
交 通 | : | 地下鉄大江戸線・都営浅草線大門駅より徒歩2,3分、JR・モノレール浜松町駅徒歩5分 |
申 込 | : | 「セミナー参加申込方法のご案内」のページをご参照下さい。 |
募集人員数 | : | 50名(予定) |
想定対象層 | : | 大学、研究機関、企業等の研究職もしくは教育職、実践的研究者、開発者、学生(学部生、院生)等で、機器、システム類のインタフェース、インタラクション機能のデザイン、評価を専門とする方、もしくは、興味、関心のある方。 |
講習内容 | : | 1)講習と演習 |
講習テキスト | : | 有り |
参加費 | : | 参加費: 会員・賛助会員10,000円、一般非会員15,000円、学生会員2,000円、学生非会員5,000円 |