特定非営利活動法人 ヒューマンインタフェース学会
ヒューマンインタフェース2012
講習会
2012年9月4日(火)
1.インタラクションデザイン「脳内リアル、メディアアート表現、身体接触などの課題」
2.インクルーシブデザイン「インクルーシブデザインによる五感ワークショップ」
3.アプライドゲームデザイン
「マニュアルがなくても使い始めることができ、自ら学習・訓練するモチベーションの与え方に注目する方策を探ります」
4.エンボディードデザイン
「ウェアラブル、ソシアルコンピューティング、フィジカルコンピューティングなどコンピュータの新しい形を探ります」
1.インタラクションデザイン「脳内リアル、メディアアート表現、身体接触などの課題」
ポストGUIのインタラクションデザインについて、現実世界を模して物理的に正しく写実的に表現することを超えて、必要のないものは隠して気に入ったところだけ誇張して表現をしたり、解釈を揺さぶるようなところを提示して、ユーザに都合の良い解釈を与えたり、不思議であったり、人間同士のスキンシップを取り入れて、心地よさや快適さを超えて、より豊かで楽しい、やる気やモチベーションにつながるような表現に注目したいと思います。
富松潔/オーガナイザー リアリティベースドインタフェース、ナチュラルインタフェース、オーガニックインタフェースなどのキーワードに触れながら、新しいデザインのビジョンを描きます。 略歴:1953年福岡県生まれ。九州芸術工科大学工業設計学科卒業、英国王立芸術大学院(Royal College of Art)コンピュータリレイテッドデザインコースPEP修了、三洋電機総合デザインセンター勤務英国駐在を経て、1994年九州芸術工科大学講師、現在は九州大学大学院芸術工学研究院教授、専門はインタラクションデザイン、博士(芸術工学)。趣味はセーリング、日本セーリング連盟アンパイア。 |
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藤木淳/ゲスト デザインにおいて違和感は排除されがちな要素ですが、一方で、人間だからこそ感じられる違和感を適切にデザインに組み込むことで、体験者の注意をひきつけ、印象深いものとなる可能性があります。本講義では、人間の知覚に基づく違和感に着目した、藤木のこれまでの研究作品を紹介します。本講義で、まずは聴講者自身がその違和感を感じ、そして、その思想が次のデザインへのヒントとなりましたら幸いです。 略歴:1978年生まれ。博士(芸術工学)。国際メディア研究財団研究員、科学技術振興機構さきがけ研究員を兼任。表現と原理の関係から、人間と物理の法則を探る、あるいは、それらの新たな関係性を築く研究をしている。アプローチとして、自らの仮説に基づく表現と原理の関係をアルゴリズム化し、体験者に提供する方法をとっている。また、それらは国内外の科学館や美術館で展示している。 |
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馬場哲晃/ゲスト 現在研究室内で実践している研究事例を報告します。現実空間とデジタル情報をシームレスにつなぐことで、芸術、教育、デザイン、娯楽をより「豊か」に「楽しく」享受可能なインタラクションデザインを提案します。 略歴:1979年長野県中野市生まれ。九州芸術工科大学、九州大学にて芸術工学を専攻後、博士(芸術工学)を取得。現在は公立大学法人首都大学東京システムデザイン研究科インダストリアルアート学域助教。芸術、エンタテインメント、教育、デザインに関してインタラクションを軸にした研究をしています。専門はインタラクティブアート及びインタラクションデザイン。情報処理学会、ACM各会員。 |
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江振維/ゲスト いままでの、新しいユーザエクスペリエンスに関する研究内容を本講義でシェアします。 略歴:1979年台湾。台北市生まれ。情報科学とメディアデザインを専攻後、インタラクションデザイナーとして、台湾で活躍しています。ARS Electronica 2006 Honorary Mention受賞。現在は九州大学ITPセンター学術研究員。新しいユーザエクスペリエンスを中心として、研究活動やアート表現などをしています。 |
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2.インクルーシブデザイン「インクルーシブデザインによる五感ワークショップ」
インクルーシブデザインは、英国発祥のユーザー起点のイノベーションをおこすユーザー参加型デザイン手法です。その手法を用い様々な人の立場から社会的な視点でデザインの課題や魅力を考えていきます。多様な感覚の参加者が多く、デザインも視覚的表現だけではなく、他の感覚を使った表現も行われます。今回は音に注目し、いっしょに五感のデザインを考えたいと思います。
平井康之/オーガナイザー インクルーシブデザインは、英国発祥のユーザー起点のイノベーションをおこすユーザー参加型デザイン手法です。その手法を用い様々な人の立場から社会的な視点でデザインの課題や魅力を考えていきます。多様な感覚の参加者が多く、デザインも視覚的表現だけではなく、他の感覚を使った表現も行われます。今回は音に注目し、いっしょに五感のデザインを考えたいと思います。 略歴:英国王立芸術大学院(ロイヤル・カレッジ・オブ・アート)卒業。コクヨ(株)の設計、開発、商品戦略部門でインテリア/プロダクトデザイナーを経て1997年渡米、アメリカのデザインコンサルテーション会社アイデオにてデザインコンサルタントとして活動。2000年に九州芸術工科大学(現九州大学)助教授、2003年より九州大学大学院 芸術工学研究院 准教授、現在に至る。 |
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広瀬浩二郎/ゲスト 略歴:1967年、東京都生まれ。13歳の時に失明。筑波大学附属盲学校から京都大学に進学。2000年、同大学院にて文学博士号取得。2001年より国立民族学博物館に勤務。専門は日本宗教史、障害者文化論。『だれもが楽しめるユニバーサル・ミュージアム-“つくる”と“ひらく”の現場から』(読書工房、2007年)、『さわる文化への招待-触覚でみる手学問のすすめ』(世界思想社、2009年)など著書多数。 |
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3.アプライドゲームデザイン「マニュアルがなくても使い始めることができ、自ら学習・訓練するモチベーションの与え方に注目する方策を探ります」
昨今、ゲーム(主にビデオゲーム)が持つ解りやすいインターフェイスや、積極性や継続性を高めるデザインを他の分野に応用しようという動向が、国内外で活発になっています。具体的なキーワードとして、シリアスゲーム、ゲームフィケーション、ゲームニクスがこれにあたります。本セッションでは、医療、教育、観光といった従来ゲームとは関わりが薄い分野におけるデジタルコンテンツへのゲームデザインの応用について、具体例をあげながら話し、今後の展開や可能性について議論していきたいと思います。
松隈浩之/オーガナイザー 平成22年から23年にかけて、リハビリ中のつらく厳しい訓練をゲームのチカラで楽しくしようというコンセプトで「樹立の森 リハビリウム」というゲームを制作しました。主に高齢者(70代~90代)を対象としており、デイケアセンター等の福祉施設でゲーム=リハビリを楽しみながら、健康そして豊かな生活を維持することを目的としております。リハビリを必要とする高齢者に適したインターフェイスデザインやハードウェア等のシステム構成、また病院、介護施設へとゲームを導入する際の課題や解決方法などについて、2年間にわたる現場とのやりとりや、利用者による検証実験の結果などを踏まえ、発表いたします。 略歴:1994年九州芸術工科大学画像設計学科卒業。1996年同大学院情報伝達専攻修了。1997年凸版印刷株式会社入 社、グラフィックアートラボラトリー(GALA)勤務。2003年九州芸術工科大学に講師として着任し、九州大学と統合後、現在、九州大学大学院芸術工学研究院講師。福岡市における産官学シリアスゲームプロジェクト代表。 |
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藤岡定/ゲスト 優れたインターフェイスとはどういう物なのか、良い物の使われ方とはどういうことなのか。評価軸は果たして「使いやすい」「便利」だけで良いのだろうか。講演者の携わったデジタル/アナログの作品や、講演者の好むアート/デザイン作品、講演者が日常で感じたインターフェイスに対する違和感等の例を通して、「楽しさ」を軸にしたゲームフルなインターフェイスのあり方についての考察を紹介する。 略歴:芸術工学博士。2004 年九州大学電気情報工学科卒業。2010 年同大学院芸術工学府博士課程修了。文字、言葉を用いた音楽演奏ソフトウェアについての研究を行う。同年より九州大学大学院芸術工学研究院にて学術研究員として勤務。リハビリ用途のシリアスゲームの企画・設計・開発を行う。ADADA 会員。 |
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中村直人 近年、携帯端末など様々なデバイスが普及し、ユーザがコンテンツにふれる機会は増大している。それに伴い、教育分野で利用されるコンテンツの総数も膨大になっており、より効果的で利用価値のあるコンテンツが求められている。本講演では、教育用コンテンツの構成やインターフェースデザイン、さらにはビジネスモデルについて、実際の例や講演者が携わったコンテンツから得た知見を紹介する。 略歴:情報科学博士。2005年九州大学理学部物理学科卒業。2010年同大大学院システム情報科学府博士課程修了。マルチメディアデータ検索技術の研究を行う。日本学術振興会の特別研究員を経て2011年より同大大学院芸術工学研究院に学術研究員として勤務。シリアスゲームの研究開発を行う。情報処理学会会員。 |
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サイトウアキヒロ ゲームにおいて、ユーザーは常に自ら目標を持って遊んでいるように見えるが、実はすべてゲーム側で設定され提示されている。その内容は直近目標、中間目標、最終目標に分けられ、それぞれを巧みに操作することで、いかにも自発的に目標を立てているかのように思わせているにすぎない。またその目標に向かって長時間にわたって集中させるためのモチベーションを、どのように維持させていくのかといったノウハウも合わせて解明し、誰でも簡単に始められて、難しい事でも楽しみながら習得させていく方法論を解説する。 略歴:立命館大学映像学部教授。 ファミコン初期のころから任天堂を中心にゲームクリエイターとしての活動も開始する。近年は日本の優秀なゲームインターフェイスを「ゲームニクス」と命名し理論化。この「人を夢中にさせるノウハウ」の他分野での活用を提唱し、実践している。国内外の講演も多数。著書:「ニンテンドーDS が売れる理由‐ゲームニクスでインターフェースが変わる」(秀和システム)「ゲームニクスとは何か‐日本発、世界基準のものづくり法則」(幻冬舎)他 |
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4.エンボディードデザイン「ウェアラブル、ソシアルコンピューティング、フィジカルコンピューティングなどコンピュータの新しい形を探ります」
講習会では、なるべく実際のデモや体験重視で各講師の講習内容をつめていきたいと考えております。 HI学会のテーマにある「九州が発信するデザイン戦略」に沿うように、各講師陣に九州のエッセンスを入れてもらうよう交渉致します。
上岡玲子/オーガナイザー やわらかいコンピュータの実践 略歴:2012年4月より九州大学大学院芸術工学研究院コンテンツ・クリエーティブデザイン部門准教授に着任。慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了後、NTTヒューマンインタフェース研究所、米国衛星通信会社PanAmSatを経て、2003年東京大学大学院工学系研究科先端学際工学専攻にて学位取得。(博士(工学))領域型展示のためのウェアラブルコンピュータや主観的体験記録のためのウェアラブルコンピュータの研究、衣服の高機能化を目指したエレクトロニクスとテキスタイルを融合させたe-テキスタイルの研究を実践的に行う。 |
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串山久美子/ゲスト 身体感覚に即した触覚提示技術の新しい表現 略歴:首都大学東京システムデザイン研究科インダストリアルアート学域教授。専門分野は、メディアアート、インタラクティブアート、バーチャルリアリティ、触覚研究。1980年より人と空間の関係をテーマに、映像と音と温度、触覚を融合させたメディアアートや視触覚ディスプレイの技術の開発を行っている。表現のみならず、デジタルサイネージや障がい者支援など日常の情報活動をも支援する触覚コミュニケーションの可能性を提案している。作品や研究は、SIGGRAPH ArtGalleryやArs electronicaや日本での科学館のコレクションとして発表されている。 |
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武山政直 価値創造型のソシアルコンピューティングのデザイン 略歴:慶應義塾大学経済学部教授。専門の都市メディア論、消費者行動分析の研究を背景に、ICTを活用したサービスのデザイン、企業と顧客の価値共創プラットフォームの構築、ゲームやストーリーテリングの手法を用いた参加型プロモーション手法の開発に実践的に取り組んでいる。特に近年はTwitterを活用したクラウドソース型未来構想や、ARG(代替現実ゲーム)を用いた自動車の参加型プロモーションを産学共同で推進。 |
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