特定非営利活動法人 ヒューマンインタフェース学会
ヒューマンインタフェース・ステップアップキャンプ2020をオンラインで実施しました!
3月7日(土)、8日(日)に仙台・秋保(あきう)温泉 ホテル華乃湯で開催予定だったヒューマンインタフェース・ステップアップキャンプ2020ですが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、残念ながら現地での開催を断念致しました。秋保温泉での開催を楽しみにされていた参加者の皆様、急な予約のキャンセルにご対応下さいましたホテル華乃湯様に心からのお詫びと感謝を申し上げます。
このように、ヒューマンインタフェース・ステップアップキャンプ2020は、「温泉地に集まって、ワイワイガヤガヤ議論する」という例年通りのスタイルで開催することはできませんでした・・・が、しかし!このままでは終われない、ということで発想を変え、3月7日(土)13:00~17:30に会期を絞り、Web会議ツールを用いて遠隔で開催しましたので、その概要についてご報告致します。
事前準備
事前に「参加のしおり」を作成・配布し、参加者の皆様にWeb会議ツールのインストールや、カメラとマイクの準備などの環境設定をして頂きました。
当日
当日のスケジュールは下表のとおりです。もともとポスター発表形式の予定でしたので、それを変更することなく、「オンラインでのポスターセッション開催」を試みました。
当日のスケジュール
13:00~13:30 | 接続テスト |
13:30~14:00 | オープニング & 自己紹介タイム |
14:00~14:15 | テザータイム1 |
14:15~14:55 | ポスターセッション1(5件) |
14:55~15:00 | サマリー1 |
15:00~15:20 | おやつタイム |
15:20~15:35 | テザータイム2 |
15:35~16:15 | ポスターセッション2(5件) |
16:15~16:20 | サマリー2 |
16:20~16:30 | 休憩 |
16:30~16:45 | テザータイム3 |
16:45~17:25 | ポスターセッション3(4件) |
17:25~17:30 | サマリー3 |
1. オープニング
当日は、開始時刻の13:00にメインミーティングルーム(もちろん仮想的なものです)に参加者全員で集合しました。急な遠隔開催への変更にも関わらず、14件の発表と、大学や企業から約30名の方々がご参加下さいました。
メインミーティングルームの様子 [1]
各自のマイク音量等の確認の後、まずはヒューマンインタフェース学会会長・藤田欣也先生(東京農工大学)からのご挨拶です。ちなみに藤田会長のWeb会議ツールの背景画像は「ホテル華乃湯」です! [2]
会長挨拶
(背景画像から「華乃湯に行きたかった…」という気持ちが伝わってきます)
2. ポスターセッション
続いて、参加者の自己紹介と各発表のポイントを2分間で紹介してもらうテザータイムを行った後、いよいよポスターセッション開始です!ポスターセッションでは、参加者は一旦メインミーティングルームから退出し、ポスターごとに個別に設けられたミーティングルームに入ってそれぞれの発表を聞き、議論を行いました。そしてそのポスターを見終わったら、ミーティングルームを退出して、別のポスターのミーティングルームへ・・・これを繰り返すのが今回実施した「オンラインでのポスターセッション」です。
参加者の皆様には、「オンラインで全く知らない人と話す」という不安感を少しでも軽減するために、全員カメラをONにして頂き、お互いの顔が見えるように配慮しました。また、ファイル共有・同時編集サービスを使って「今どのポスターを見ているか?」を各参加者に記入してもらい、各ポスターの閲覧者数をリアルタイムで共有することによって極端に混んでいるポスターや空いているポスターが発生しないようにし、充実した議論の時間となるよう工夫しました。
ポスターセッション終了後は、再度全員でメインミーティングルームに集まり、各発表者および参加者からコメントを頂くサマリーを実施しました。サマリーでは、「発表そのものも含めて初めての経験だったが、楽しく、参考になる意見がもらえて良かった」「思っていたよりも、ちゃんとポスター発表になっていた」「口頭発表とポスター発表のハイブリットみたいだった」等のご感想を頂きました。また、ポスター発表中も、追加の資料や映像を即興で見せながらの議論など、普段使っている自分のPCからでも参加できるオンライン形式だからこその議論の深まりも見られました。
ポスター発表の様子①(画面共有機能を使っての発表です)
ポスター発表の様子②(もちろん一部を拡大しての説明も可能です)
3. おやつタイム
今回のステップアップキャンプにおける特筆すべきイベントは「おやつタイム」です!「主に学部生や院生など若手研究者をメインターゲットとした研究者間のネットワークづくり」を目的の一つとするステップアップキャンプの趣旨を踏まえて(?)、学生さんたちや若手の参加者の方が思い思いにおやつを持ち寄り、それを食べながら、楽しいひと時を過ごしました。
おやつタイムの様子
このように新型コロナウイルスの影響を受けての突然の遠隔開催への変更でしたが、終わってみれば、「オンライン・ポスターセッション」だからこそ可能なメリットや特色も複数見られ、「新しい研究会の形」としての可能性が感じられたヒューマンインタフェース・ステップアップキャンプ2020になりました。
改めまして、ご参加・ご発表下さいました皆様、開催に当たりご支援下さいました皆様に心から御礼申し上げます。特に、本学会・コミュニケーション支援専門研究委員会(SIGCE)運営委員の小森政嗣先生(大阪電気通信大学)、岡耕平先生(滋慶医療科学大学院大学)から、オンラインでの研究会開催に関して多くのご助言を頂きました。また、オンラインで開催された電子情報通信学会ヒューマンコミュニケーション基礎(HCS)研究会の2020年3月研究会の開催要領を参考にさせて頂きました。ここに記して、感謝申し上げます。
なお、初の「オンライン・ポスターセッション」となったヒューマンインタフェース・ステップアップキャンプ2020の詳しい設計や当日の模様は、2020年9月2日(水)~4日(金)にグランシップ(静岡県コンベンションアーツセンター)で開催されるヒューマンインタフェースシンポジウム2020にて発表予定です!どうぞご期待下さい。
(現地担当:東北大・狩川)
[1] ステップアップキャンプ当日は画像の記録は行いませんでした。使用している画像は、全て当日の様子の再現画像です。
[2] https://www.hananoyu.com/spa/の画像です。ホテル華乃湯様から掲載の許諾を頂いております。