特定非営利活動法人 ヒューマンインタフェース学会

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ヒューマンインタフェース2015
招待講演

2015年9月2日(水)

招待講演1:オープンソースカルチャーと未来

2015年9月3日(木)

招待講演2:プログラミングの可能性と素晴らしさを一般人に伝える


2015年9月2日(水)

招待講演1

「オープンソースカルチャーと未来」

講師:瀧田 佐登子(Mozilla Japan)

takita.jpg およそ 20 年前にソフトウェアの世界で始まった "Open" や "Share"のムーブメントは、その後のインターネットの普及と共に徐々に浸透し、今や企業のモノづくりの現場でもオープンを戦略にする例も多く見られるほど、確実にマインドチェンジが始まっています。「Web の Open 性を保つ」というミッションのもと、ブラウザのパイオニアとして Firefox や Firefox OSといったオープンソースプロジェクトを牽引する Mozillaでは、ソースコードの公開だけでなく、プロセスの透明性を保つことにも重きを置いています。人・アイデア・テクノロジーを軸に、世界中のコミュニティやパートナー企業と共にモノづくりを行ってきた Mozillaの例を交えながら、これから更にオープンな風が吹き込まれるであろうハードウェアやデジタルファブリケーション、デザイン、エデュケーションなどの分野の未来について皆様と一緒に考えてみたいと思います。

プロフィール:国内 IT 企業で UNIX・インターネット事業に携わった後、米国 Netscape の開発現場でブラウザの国際化・日本語化に従事。その後、2004 年に Mozilla Japan を設立し、2006 年代表理事に就任。ブラウザ Firefox や Firefox OS 等 Mozillaの製品や技術、オープンソースの普及啓蒙活動を行う傍ら、慶應義塾大学大学院や中央大学理工学部で講師を務める。日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2009 リーダー部門受賞。2009 年度日本 OSS 貢献者賞受賞。第9回北東アジアOSS推進フォーラム特別貢献者賞受賞。

2015年9月3日(木)

招待講演2

「プログラミングの可能性と素晴らしさを一般人に伝える」

講師:原田 康徳(デジタルポケット)

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この数年でコンピュータは私たちの生活の中に広く・深く浸透してきました。もう、コンピュータ無しの生活は考えられないくらいです。これほどまでに重要なコンピュータであるのに一般人の中で「コンピュータとは何か」という基本的な問いに答えられる人はどれくらいいるでしょうか。一方で「コンピュータとは何か」を万人が知る必要はあるのかどうか。ヒューマンインタフェース研究は「コンピュータとは何かがわからない人たちでもコンピュータを使いこなせる」を目指しています。それを極端に推し進めることは「君たちはコンピュータとは何かを知らなくてもいいんだよ」になってしまう可能性を持っています。もちろんまったく別の話なのですが、コンピュータが使いやすくなることが中身を知らなくてもよいことへの免罪符に使われる可能性はあります。 コンピュータの特殊性により、コンピュータを本などの知識だけで理解することは極めて困難です。 コンピュータの素の姿に直接触れてみること、すなわちプログラミングを行うことが必要です。しかし、本格的なプログラミングはそれなりの時間をかけて学ぶ必要があります。それが「コンピュータとは何か」を万人が知る障害でありました。
ビスケットは2003年に開発された教育用ビジュアルプログラミング言語です。プログラミングが持つ重要な性質である「役に立つものを作る」を一旦脇に置いて、「コンピュータとは何か」に触れることへフォーカスをあてて設計されました。コンピュータは数学と英語と電子工作という従来のイメージから離れ、手書きの絵が簡単に動くことを中心にしています。これまでに年間100回を超えるワークショップや授業などを主に小学生向けに実施してきました。
しかし、本当に世の中に浸透させるには子供だけではなく大人の理解者を増やしてゆくことも重要です。そこで大人向けの体験講座も実施しています。そこでは、指数関数、シミュレーション、二進法、ソート、インタプリタといったコンピュータサイエンスの重要な話題をビスケットのプログラミングを通じて学びます。
本講演では、この大人向け体験講座で行っている内容を専門家向けに紹介します。


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