特定非営利活動法人 ヒューマンインタフェース学会

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講習会


2002年9月1日 9:30-12:30

オンライン参加申込

コース1 バリアフリーとユニバーサルデザイン-実用化への道-

コース2 バーチャルリアリティー(VR)の生体影響と評価手法

コース3 HIのためのアプリケーションツール


コース1 バリアフリーとユニバーサルデザイン-実用化への道-

司会:田中 敏明(札幌医科大学)

1. 喉頭摘出者のための電気式人工喉頭-実用化へ至るまで-

橋場 参生(北海道立工業試験場)

 

・癌などによる喉頭の摘出と「声」の喪失
・代用発声法と電気式人工喉頭
・産学官共同による国産第1号機の開発
・自然な声を実現する抑揚制御機能
・デザイン開発と評価
・製品化に果たした官(地方公設試)の役割

 

専門分野:福祉工学、ロボット工学

橋場 参生氏の画像です

2. 聴覚障害者のための手話支援技術-実用化への課題-

鎌田 一雄(宇都宮大学)

 

・ことばとしての手話
・使用者ニーズの分析
・技術使用と使用環境
・今後の課題

 

専門分野:ヒューマンコミュニケーション、障害者のコミュニケーション支援
主要著書:Kazuo Kamata,etal"Picture-Mail System-Meana of Signed Language Communication over Internet"Proc. 18th Inf.Symp. on Human Factors in Telecommunication, pp.173-180 (Nov.2001)
鎌田,佐藤,山本,フィッシャー ”日本手話における発話速度と分構構造との関係に関する一考察”映像情報メディア学会誌, 56,5,pp.872-876 (May 2002)

鎌田 一雄氏の画像です

3. 視覚障害者のための福祉工学-実用化への期待-

伊藤 精英 (公立はこだて未来大学)

 

・使いやすいデザインとは-可視性
・なぜ可視的だと使えるのか-アフォーダンス
・参照枠の重要性
・環境の参照枠の認知-晴眼者と盲人
・視覚障害代行機器と今後の課題

 

専門分野:生態心理学・視覚障害心理学
主要著者:伊藤精英(共訳)「アフォーダンスの構想」東京大学出版会.(2001).
Kiyohide Ito et al., Blind Adults Exhibit Postural Responses to a Moving Room. Studies in Perception and Action Ⅵ, LEA, 1-4(2001).
伊藤精英・関喜一,「聴覚性運動」を用いた障害物知覚を測定する試み(第3報)-仮想壁の振幅と身体動揺との関係-.第27回感覚代行シンポジウム,41-46(2001)
伊藤精英,どのようにして盲人は環境内を移動するのか-ウエイファインディングに対する生態心理学的アプローチ-.認知科学,5,25-35(1998).

伊藤 精英氏の画像です

4. 神経筋疾患患者におけるインターフェースの適合と活用-環境制御装置の実用例-

田中 栄一(国立療養所八雲病院)

 

・デュシエンヌ型筋ジストロフィーをはじめとする、脊髄性筋萎縮症(SMA),ALSなどの疾患を対象とし、生活の中での支援機器の導入について紹介する
・各疾患における残存機能の特徴と、インタフェースの適合
・環境制御装置などで見られる操作方法の検討と実用
・その他の紹介機器

 

専門分野:リハビリ工学

田中 栄一氏の画像です

5. 高齢者を中心とした家族“つながり感”通信環境の設計-人間中心アプローチ:実用例の紹介 -

伊東 昌子(NTTアドバンステクノロジ)
渡邊 琢美(NTT環境エネルギー研究所)

 

・ユニバーサルデザインへの生態学的アプローチ
・家族の中の高齢者と情報環境
・”つながり感”とアクションリサーチ
・人間中心設計とアクションリサーチ
・異分野協力によるユニバーサルな生活環境の設計

 

伊東昌子
専門分野:認知心理学・HCI・人間中心設計コンサルティング
主要著者:「ユーザ工学入門」(共著),共立出版
「認知心理学を語る」(共著),北大路書房
「プロトコル分析入門」(共著),新曜社
高齢者がインターネットの利用法を学習する遠隔教育環境のデザインと試行(共著),日本教育工学会2001
Intelligence in sales:How superior salespeople generate interaction with their client?, SICE2002 (共著)

渡邊 琢美
専門分野:LSI設計自動化,並列処理,CHI
主要著者:「並列処理機構」(共著),丸善
未来型ホームコミュニケーションのR&D. NTT R&D Vol.5, 2001
"Tunagari" communication:Fostering a feeling of communication between family members. CHI 2002

伊東 昌子氏の画像です

渡邊 琢美氏の画像です

コース2 バーチャルリアリティー(VR)の生体影響と評価手法-ヒトに優しいVRシステムをめざして-

司会:大須賀 美恵子(大阪工業大学)

キー・ノート:VRシステムにおける生理的・心理的影響評価法

岩田 洋夫(筑波大学)

 

・VRシステムにおける生理的・心理的影響評価の問題点
・VRシステムの実装形態の分類
・生理的・心理的影響要因の分類
・評価実験の事例(前庭覚ディスプレイ、ロコモーションインタフェース等)

 

専門分野:バーチャルリアリティ、ハプティックインタフェース
主要著書:人工現実感生成技術とその応用、サイエンス社(1990)

岩田 洋夫氏の画像です

1.映像刺激の視覚系への影響とその評価

鈴木 康夫(札幌医科大学)

 

・VR画像負荷が視覚系に与える影響を評価する際に、調節機能検査が有用と考えられる。
・調節のステップ応答における調節緊張速度が最も鋭敏なパラメータと考えられる。
・映像負荷時間が長くなると、調節緊張速度は一過性に低下する。
・立体映像負荷は、2次元映像負荷よりも視覚系への影響が大きい。

 

専門分野:眼科学(神経眼科)
主要著書:回旋性眼球運動の測定法と特性、神経機構、眼科学大系7巻 神経眼科、(1998)増田寛次郎、猪股孟、玉井信、本田孔士編、中山書店 pp314-2-814-8

鈴木 康夫氏の画像です

2.映像刺激の自律神経系への影響とその評価

吉澤 誠(東北大学)

 

・視覚刺激等の生体影響の定量化手法として従来どのようなものがあったか?
・自律神経系の働きを反映する心拍数、血圧、呼吸数等の生理的パラメータはどのように解析されてきたか?
・従来の解析方法の問題点は何か?
・刺激に対する反応はパラメータ間相互の関係性の変化として現れる?
・Mayer波帯域における血圧から心拍数までの線形相関性を経時的に算出する方法とは?
・2D映像と3D映像の比較、乗り物酔いに対する感受性の強弱、パニック症候群患者の特性などに対する解析結果を紹介しながら、視覚刺激の生体影響をどう評価すべきかについて解説。

 

専門分野:生体制御工学
主要著者:1)吉澤 誠:バーチャルリアリティ,阿部康二編:脊髄小脳変性症の臨床,新興医学出版,pp.99-106 (1999)
2)Tomoyuki Yambe, Makoto Yoshizawa, Kou-ichi Tabayashi, and Shin-ichi Nitta: Searching for the origin of chaos, Metin Akay (Eds.), Nonlinear Biomedical Signal Processing Vol.II, IEEE Press, pp.40-71 (2001)
3)Makoto Yoshizawa, Ken-ichi Abe Tomoyuki Yambe and Shin-ichi Nitta: Medical applications of virtual reality in Japan, Metin Akay and Andy Marsh (Eds.), Information Technologies in Medicine, John Wiley & Sons, pp.171-188 (2001)

吉澤 誠氏の画像です

3.HMDの設計と評価- ソニー製HMDの人での医学的設計評価 -

元日田 融(ソニー(株))

 

・新規コンセプト製品HMDの開発・商品化における大きな課題は、人体への影響の有無・程度を知ることであった。
・HMD視聴が人体に及ぼす影響の大きさおよび発現率を検討するために、大人および子供に試作機を実際に使ってもらう評価試験を実施した。
・試験により、HMD視聴は、臨床上問題となるような影響は及ぼさない事が確認できた。
・一連の研究の成果は、後継機を含め快適なHMDの設計に役立てられた。

 

専門分野:製品のリスク評価

元日田 融氏の画像です

4.VR酔いのメカニズムと評価

中川 千鶴((財)鉄道総合技術研究所)

 

・動揺病のメカニズム仮説とVR酔いの関係
・複数感覚への情報提示とVR酔い
・VR酔い発生時の生理指標の反応例
・VR酔いの評価に向けて

 

専門分野:人間工学、生理計測
中川 千鶴氏の画像です

5.安全な映像製作のための支援データベース

千葉 滋(シャープ(株))

 

・(社)電子情報技術産業協会(JEITA)、経済産業省及び(財)機械システム振興協会の支援で7年間続けてきた映像の生体影響に関する研究紹介を行う。
・発作/酔い/自律神経影響等の健康被害、関連の映像要素と実際の映像例を集めた支援データベースにより、映像の生体影響の実際を説明する。
・健康被害防止のための国際標準化の動きと関連業界の動きを紹介する。

 

千葉 滋氏の画像です

コース3 HIのためのアプリケーションツール-企業の取り組みと情報教育への活用例-

司会:吉田 真澄(富士通研究所)

1. HIのためのアプリケーションツールの開発動向

吉田 真澄(富士通研究所)

 

・ユビキタス情報社会とその技術
・アフォーダンスの概念とHI
・メディア処理ソフトの現状
・今後の取り組み

 

専門分野:人間工学、生理計測
主要著書:「コンピュータ画像処理・応用実践」総研出版

吉田 真澄氏の画像です

2. 普及型CG制作ソフトの紹介とHIへの応用例

江島 照玖(三徳商事)

 

・動作や音のアイコン(ビヘイビア・ビルディングブロック)化
・ビヘイビア・ビルディングブロックを機能ごとに分類したデータベース
・オブジェクトに対してビヘイビア・ビルディングブロックを直接ドラッグ&ドロップすることによるプログラムについて
・時系列を意識させないプログラミング
・コンテンツ事例紹介

 

江島 照玖氏の画像です

3. 数式アプリケーションソフトの情報教育への活用例

棚橋 純一(中京大学)

 

・なぜ数式アプリケーションソフトの活用を考えたか
・数式アプリケーションソフト活用による教育試行
-Mathematica活用による数値シミュレーションの講義-
・実践結果と分析
・今後の展開構想

 

専門分野:人工知能、ヒューマンインタフェース

棚橋 純一の画像です

4. CGアプリケーションと情報処理教育への活用例

後藤 敏行(横浜国立大学)

 

・情報処理教育の多面性,CGアプリケーション導入の悩み
・CGに関する情報処理教育の状況(形状表現,質感表現,運動表現)
・画像処理とCGの融合,画像,CGアプリケーションの研究紹介

 

専門分野:人工知能、ヒューマンインタフェース

後藤 敏行氏の画像です

参加費と参加申込
コースは事前選択しますが、当日のコース間の移動は自由です。


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