特定非営利活動法人 ヒューマンインタフェース学会
ヒューマンインタフェースシンポジウム'99
講習会プログラム
1.ヒューマンインタフェース基礎(全日)
2.バリアフリーインタフェースの基礎と応用(全日)
3.情報視覚化の研究動向(午前)
4ヒューマンメディアプロジェクトにおける感性情報処理(午後)
5.コミュニケーションと身体性(午前)
6.インタラクション分析の理論と実践(午後)
講習1 ヒューマンインタフェース基礎
(全日)
ヒューマンインタフェース研究の初心者を対象に、ヒューマンインタフェースの基礎とその基本的な考え方を修得する。
「ヒューマンインタフェースの心と形」(9:30~11:00)
田村博(元京都工芸繊維大学・田村ヒューマンインタフェース研究所) |
「認知・デザイン・ユーザビリティ」(11:00~12:30)
黒須正明(静岡大学) |
「ノンバーバルインタフェース」(13:30~15:00)
黒川隆夫(京都工芸繊維大学) |
「ヒューマンエラー」(15:00~16:30)
井上紘一(京都大学) |
講習2 「バリアフリー・インタフェースの基礎と応用」
(全日)
障害を持つ方々が使用する機器具のインタフェースをデザインする時、操作者である障害者・高齢者の理解は不可欠となります。今回のテーマ 「バリアフリー・インタフェースの基礎と応用」では、基礎編においては、医学・生理学・心理学的側面なども含みながら、障害を持つ方々についての理解を深 めていきます。医学的側面からは、疾患別の機能評価や適応のPHILOSOPHYの問題に焦点をあてていきます。更に、聴覚障害に関して感覚フィードバッ クの問題に焦点をあて解説していきます。応用編においては、様々な障害を持つ人々のインターネットの利用に関するインタフェースを紹介し、次に、生活空間 におけるユーザーグループの活用事例を紹介します。また、応用編トピックスとして、スタンフォード大学アルキメデスプロジェクトにおけるトータルアクセス システムを紹介します。
「講師紹介等」(9:30 - 9:40) 井手将文(徳島大学) 「基礎編:医学系」 疾患別のリハビリテーションの考え方:福祉機器のアプローチ
岡島康友(慶応大学) |
「基礎編:工学系」 聴覚障害と感覚フィードバック(10:50 - 12:00)
伊福部達(北海道大学) |
「応用編:肢体不自由」重度四肢麻痺者の生活とパソコンネットワーク(13:00 - 14:10)
坂上正司 (重度四肢麻痺者ML主宰/ 関西学院大学非常勤講師) |
「応用編:感覚障害」 情報のユニバーサルデザイン(14:10 - 15:20)
関根千佳(ユーディット) |
「応用編:ユニバーサルインタフェースの一例」(15:30~16:30)
伊藤英一(神奈川県総合リハセンター リハ工学研究室) |
講習3 情報視覚化の研究動向(午前)
(9:30~12:30)インターネットの普及や記憶装置の容量増大にともなって大量の抽象的なデータを扱う機会が増えている。情報の構造を把握したり検索したりするために 抽象的な情報を効果的に画面上に表現する手法を情報視覚化(Information Visualization)と呼ぶが、実際に存在する物質の量/質やシミュレーション結果を視覚的に表現するサイエンティフィックビジュアリゼーション や、具体的な各種のデータをもとの形式に近い形で視覚化するデータビジュアリゼーションと比較すると、抽象的な情報を扱う情報視覚化手法は、手法の任意性 が大きい反面、情報をわかりやすく効果的に表現することが困難であるという特徴をもっており、近年様々な研究が行なわれている。このような情報視覚化手法 の現在までの研究動向を概観する。
増井俊之 (ソニー・コンピュータサイエンス研究所) |
講習4 ヒューマンメディアプロジェクトにおける感性情報処理(午後)
(13:30~16:30)
通産省工業技術院の産業技術研究開発促進制度のヒューマンメディアプロジェクトでは,次世代のヒューマンインタフェース技術の中核として感性メディ ア,仮想メディア,知識メディアの3メディアの融合による,新しいパラダイムの創生を目指して研究開発が進んでいる.ここでは,そのうち感性情報処理技術 を中心とするヒューマンメディア技術の研究開発の現状と将来展望について紹介する.
- ヒューマンメディア技術の基本コンセプト(感性メディア、仮想メディア、知識メディア)
- 感性の工学的なモデル化の具体例(知覚過程の階層的なモデル化、統計的学習によるモデル化)
- 感性モデルを利用した信号処理(画像の高精度補正)
- 感性モデルを利用したマルチメディアデータベースの内容検索(例示検索、類似検索、感性検索)
- 応用事例の紹介(感性デザイン支援システム)
加藤俊一 (中央大学・電子技術総合研究所)
専門分野:マルチメディア情報処理、パターン認識・理解、ヒューマンインタフェース、感性情報処理、マルチメディアデータベース
主要著書:(1) T. Kato, "Cognitive View Mechanism for Content-based Multimedia Information Retrieval", pp.223-262, in "Interfaces to Database Systems" R.
Cooper (Ed.) , Springer-Verlag, 1992年7月.
(2) 加藤俊一、コンピュータ画像処理/応用実践編3「類似検索機能を持った画像データベースとその設計法」,pp.187-227、田村秀行(編)、総研出版、1992年10月。
(3) T. Kato, "Human Interface for Multimedia Database with visual Interaction Facilities" in Data Science, Classification, and Related Methods,pp. 632-643,1998.1;
(4) Robert Inder,Toshikazu Kato: "Towards Shoppers' Assistants: Agents to Combine Information", Advanced Database Systems for Integration of Media and User Environments 98, 1998.
(5) Nadia Bianchi, Luc Berthouze, Toshikazu Kato, "Towards a Comprehensive Integration of Subjective Paramenters in Database Browsing", Advanced Database Systems for Integration of Media and User Environments 98, pp.227-232, 1998
講習5 コミュニケーションと身体性(午前)
(9:30~12:30)
人は、単に言葉だけでなく、頷きや身振りなど身体によるリズムを共有して、互いに引き込むことで、コミュニケーションしている。この身体 性の共有こそが、一体感を生み、人との関わりを実感させている。本講習会では、コミュニケーション支援・創出の立場から、ヒューマンインタラクションにお ける身体的な行為が果たす役割を解説し、その基礎となる場の理論と応用について紹介する。とくに次世代情報通信技術や身体性メディア技術の基盤となる身体 的コミュニケーションシステムをビデオ等で具体的に紹介する。
「身体的コミュニケーション」
渡辺富夫(岡山県立大学) |
「コミュニケーションにおける場の形成」
三輪敬之(早稲田大学) |
講習6 「インタラクション分析の理論と実践」(午後)
(13:30~16:30)エスノメソドロジーによる相互行為分析と、その結果に基づいたシステム開発を繰り返すことによって、コミュニケーションに対する理解を深めつつシステムの改善を進めるという研究手法を、講師らによる実例に基づいて解説する。
講習では、エスノメソドロジー研究の成果である「相互行為分析」「身体メタファ」「embodied spaces」などの概念、及び工学的な研究成果である「GestureLaser」「Agora」に関して解説しつつ、社会学の研究者と工学の研究者がいかにして
密接な協力関係を保ち、研究をどのように分担し、どのように貢献し合ってきたかという体験談も紹介する。
付録として、分析用ビデオやプレゼン用のビデオの撮影・編集方法に関しても簡単に解説する。
山崎 敬一 氏(埼玉大学) 専門分野:社会学、エスノメソドロジー、相互行為分析、CSCW 主要著書:「美貌の陥穽-セクシャリティーのエスのメソドロジー」 「語る身体・見る身体」ハーベスト社(共編) |
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葛岡 英明 氏(筑波大学) 専門分野:CSCW、グループウェア、ヒューマンインタフェース |
ヒューマンインタフェースシンポジウム
講習会参加費
会員・協賛会員 | 20000円 |
一般 | 22000円 |
学生(会員・協賛会員) | 2000円 |
学生(一般) | 4000円 |
学生参加費に講習会資料は含まれません。
講習会資料のみの販売は 5000円/冊 です。
申込はここからオンライン申込ができます。
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