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会長挨拶(下田 宏)

特定非営利活動法人 ヒューマンインタフェース学会

会長挨拶


アカデミックを楽しむ

shimoda.2018

ヒューマンインタフェース学会会長 下田 宏

2018年から2年間、ヒューマンインタフェース学会の会長を仰せつかりました。よろしくお願いします。ヒューマンインタフェース学会は、その前身の計測自動制御学会ヒューマンインタフェース部会から1999年に独立し、今年で19年になります。人間に例えると、来年に成人式を迎えることになります。かといって、この学会が成熟を迎えているかというと、その現状には多くの課題があります。一つは会員数減少の問題です。ピーク時には1400名を超えていた会員数が現在は1100名余りとなっています。会員数の減少は様々な活動に参加する会員の減少につながるだけではなく、学会の経済的基盤にも悪影響を与えます。現在は多くの学会で同じような問題を抱えていますが、私達の学会でも何らかの対策が必要です。また会員サービスについても充実化が望まれています。これまでに論文誌、研究会報告集の電子化に取り組んできており、現在は論文誌のJ-Stage上でオープンアクセス化や学会誌のカラー化に取り組んでいます。一方、学会運営についても効率化が求められています。理事会、総務財務委員会、各常設委員会へのオンライン会議の導入はもとより、現在は論文査読システムの電子化を推進していますが、さらなる効率化も必要です。

このように、ヒューマンインタフェース学会には様々な課題があり、それに対処していくことはもちろんですが、それだけではなく、私は会員の皆さんにアカデミックを楽しんでいただけるような学会にしたいと考えています。ヒューマンインタフェースは、コンピュータのような機械とそれを使う人間を包括的に考える分野であり、ICTが進んだ現代では、どちらかというと応用や実用化に注目しがちです。企業にお勤めの会員の皆様も新しいヒューマンインタフェースのコンセプトや技術を求めて学会に参加されている方も多いと思います。もちろん、そのようなニーズに応えることが大切なことは言うまでもありませんが、もっと会員の方に純粋に楽しんでいただけるような機会も提供したいと思っています。

「アカデミックを楽しむ」とはどういうことかと申しますと、例えば、アカデミックな研究発表を楽しむ、アカデミックな議論を楽しむ、アカデミックな雰囲気を楽しむ、というように、何でもいいと思っています。実用を目指した研究開発の発表等でも、それを通じて学会という場でアカデミックを楽しんでいただけるような機会を提供できればと考えています。また、若い学生さんには特にアカデミックを楽しんで、その面白さを体験してもらいたいと思います。まだ具体的な実現方法や活動内容は検討中ですが、様々な課題に対してもこのようなコンセプトを持って対処していきます。

来年には成人式を迎えるヒューマンインタフェース学会ですが、初心に戻り新しい学会を立ち上げる気持ちで務めさせていただきますので、今後ともご協力のほど、よろしくお願いします。




過去の会長挨拶

「展望」
ヒューマンインタフェース学会第9代目会長 渋谷 雄 (2016年度~2018年度)
 
「アクティブな会員増をめざそう」
ヒューマンインタフェース学会8代目会長 大須賀 美恵子 (2014年度~2016年度)

「新会長就任にあたっての抱負」
ヒューマンインタフェース学会7代目会長 竹村 治雄 (2012年度~2014年度)

「前例の踏襲から改革へChange! Yes, we can.」
ヒューマンインタフェース学会6代目会長 土井 美和子 (2010年度~2012年度)

「ヒューマンインタフェースの革新による新社会の創生」
ヒューマンインタフェース学会5代目会長 椹木 哲夫 (2008年度~2010年度)

「ヒューマンインタフェース学の体系化を目指して」
ヒューマンインタフェース学会4代目会長 渡辺 富夫 (2006年度~2008年度)

「ヒューマンインタフェース学会のさらなる発展を目指して」
ヒューマンインタフェース学会3代目会長 西田 正吾 (2004年度~2006年度)

「ヒューマンインタフェースの益々の発展を祈念して」
ヒューマンインタフェース学会2代目会長 吉川 榮和 (2002年度~2004年度)

「ヒューマンインタフェース学会の発足に際して」
ヒューマンインタフェース学会初代会長 井上 紘一 (1999年度~2002年度)

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